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2008年3月26日 (水)

終わりよければすべてよし

という羽田澄子監督のつくった映画を観ました。昨年秋に続き2度目です。

生活クラブ生協運動グループの一つ、NPO法人「アビリティクラブたすけあい」が地域の中でたすけあいの文化を創りたいと活動してきた15周年を記念して「最期まで地域・在宅で暮らし続けるために」というテーマのもとで、上映されたものです。患者の自宅に往診する医師に同行して、最期のときを迎える患者と家族にカメラを向けた記録映画です。

この映画のポスターに書かれているように、すべての人にとって死は避けられないものですが、自分自身がどのような死を迎えるかは誰にもわかりません。現在の日本では80%の人が病院で死を迎え、自宅での死は11%だそうです。

日本での先進的な在宅医療の取り組みは全国的に増えてはきているようですが、たとえ自宅での安らかな死を望んだとしても、往診してくれる医師は少なく実際にはなかなか難しい状況です。

13年前、兄の胃がんの末期、何とか在宅医療で最期をと考え、当時在宅医療のパイオニアとして知られていた川越 厚医師を友人に紹介され訪ねたことがありました。まだその頃は在宅医療って何?という時代でしたし、兄の家族もそこまでの決断はできず、川越医師に相談はしたものの、結局、最期を迎えるまで自宅に近い大学病院に入院したままでした。

兄は自らの死を予感していたのか、見舞いに行く私たちにしきりに寂しさを訴えました。でも面会時間がくれば否応なく家族と引き離され、寂しがりやの兄は病室でひとりつらい夜を過ごしたのだろうと今でも涙があふれます。

私の周りでも病院で身内の最期を迎えた時の状況に懐疑的な人はとても多いように思います。

監督の羽田さんは「日本の医療の中には人間の死についての思想が欠如しているのではないか。死は誰にでも確実に訪れるが、医療は死を敗北としかとらえていないのではないか」といいます。

老いた親への虐待が社会問題になっています。特に息子からの虐待が急増しているのだそうです。在宅を重視したはずの介護保険の創設であったのに、2006年の法改正ではサービスを使えない不安ばかりが多くなりました。福祉の充実はどこへいくのか・・・

羽田澄子監督は、安心して老いることができるよう日本の現状を変えるためには「まずは市民が声をあげること」が大事だと映画の最後に訴えています。

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