検査だったらどこの病院でも同じ?
血液検査で腫瘍マーカーを検出するPSAの数値が高くなった夫は、内科のかかりつけ医から紹介され、6月15日に阿佐ヶ谷駅近くの総合病院泌尿器科を受診。
担当のM医師の直腸診で、前立腺に硬くなっている部分があり前立腺癌が疑われるので、超音波で前立腺組織を採取し、癌細胞の有無を確認する前立腺生検を受けるよう勧められた。
7月4日には麻酔が効くかどうかの検査のために通院。
7月10日に泌尿器科S医師の執刀で肛門からの超音波による前立腺組織の採取を10箇所から行った。(とS医師から説明を受けた。)
病室に一泊して特に異常なしとの医師の診断で、翌日の午前中に退院。帰宅後は一日、のんびりと過ごし、夜7時過ぎいつも通り、夕食をとった。
ところが午後9時半頃、突然、夫が「寒い、寒い」と全身をガタガタと震わせ、体をエビのように曲げ、布団にもぐり込んだ。
様子が尋常ではないので、すぐに病院へ電話をして、タクシーを飛ばした。病院に着いてから測った体温は38度9分。
病院の廊下を真っ直ぐには歩けないほどフラフラの状態で、嘔吐も続いた。採尿をと言われて採った尿はまるで赤ワインのようだった。
救急治療室で約1時間余り点滴を受け、明日、改めて受診するように言われ帰宅。
一旦は収まったものの、翌12日朝、また同じような症状が出て、急ぎ再びタクシーで病院へ。
即、入院となり点滴を続けるが40度近い高熱が出たり、引いたり。
12日から18日まで100数十時間、抗生物質の点滴を続けた。7日間、カテーテルによる排尿を続ける。
本人・家族への説明を記したS医師(夫の生検を担当した医師)のプログレスノートによれば、今回の夫の病状について
「今回、前立腺生検によって、前立腺に炎症が発症したもので、菌が前立腺の血管に入り、全身に廻ったことが原因と考えられます。それによって発熱、排尿時の痛みが生じたと思われます。
検査前から抗生剤を投与していますが、検査説明用紙にもあるように、肛門から超音波を入れて検査するので、直腸を消毒しても、便からの大腸菌を完全になくすことは不可能です。(以下、省略)」
医師からは病状の経過説明はあった。そして「発熱後、あのまま家で我慢していたら危なかったですね。」とも言われたが、家で我慢できるような状態ではなかった。
医師は病名については本人にも家族にも言わなかった。
医師としてこれまで経験の無い事例に出会ったのだろうが、そんな危ない状態の患者を500mlの点滴をしただけで、帰宅させてしまっていいのか、医師として無責任すぎないか?夜間の救急医では専門外?
夫の病状への不安と病院への不信が入り混じる気持ちを抱えている時、TさんとIさんから同時に中野区内の泌尿器科専門医のY先生を紹介され、S医師のプログレスノートを持って訪ねた。
Y医師は「ああ、敗血症ですね。生検で前立腺の組織を採るときに菌が血管に入って全身に廻っちゃったんですよ。こんなこと、めったにないですけどねえ。大変な目に合いましたね。」と私が持参したプログレスノートのコピーをした。
K総合病院が出している、生検を受ける際の「患者様へ」という説明書には、前立腺生検の合併症として
①出血 ②感染症 ③排尿・排便時の違和感の3点が書かれている。
特に②の感染症のところには、「検査の際、針を刺す部位を十分に消毒しますが、細菌感染(急性前立腺炎)が起きることがあります。検査後2~3日は発熱の可能性があります。非常にマレですが、敗血症(死亡する可能性のある重篤な全身感染症)が起きることもあります。」と書かれている。
夫は生検後、全部の合併症が出た。
S医師は、「これまで何千の数の生検を行っているが、こんなことは初めてです。」と言った。
7月13日、蒸し暑い日だったが、夫はベッドで病院の羽毛肌掛け布団3枚とスイッチがON になった電気毛布を掛けて寝ていた。この日が一番辛かったようだ。
後にS医師からもらった血液検査のデータを見ると炎症の状態を示す数値は13日と14日がピークになっていた。
S医師に「夫は敗血症になったのですか?」と聞くと、「そうです。」
私「先生、退院した日の深夜、病院へ来たときに症状から敗血症との診断はできなかったのでしょうか?」
S医師、「まあ、無理でしょうね。」
夫は7月19日に退院したが、元の状態に戻るのに思いがけず日数がかかった。
夫のような事例は医療事故ではないのか。
S医師は「ご本人の持っている菌が入ったのです。検査の結果では特定される菌は検出されなかった。」と言う。
Y医師も「まあ誰が悪いと言う訳ではないですから。」と・・・
しかし旧知の医師は「医療事故だよ。」と断言する。
7月10日は夫を含め3人が、午後1時半から続けて生検を受けた。夫は3番目だったが、直腸の消毒は十分慎重にされていたのだろうか。どうしても疑問は消えない。不運で済まされてはたまらない。
7月26日に「10箇所中、1箇所から癌細胞が発見された」と生検の結果が知らされた。
M医師から「今後はMRIやCT等によって、他の臓器への癌の転移の有無などの検査に入りたいので、日程の計画を立てたい」と言われたが、病院を変えて検査をしたいと申し出た。
Y医師からの紹介で他の病院で検査、治療を受けることに決めた。紹介状と生検の結果を持って今日、病院に行く。
検査くらい、総合病院ならどこも同じと考えていたのは甘かったのだろうか?
| 固定リンク
「健康」カテゴリの記事
- 春の嵐・・・(2008.04.18)
- 国保で受診した医療費 (2008.04.10)
- 風邪をひいた(2008.04.08)
- 自宅で出産(2008.03.27)
- がん保険(2008.03.11)
「前立腺がん」カテゴリの記事
- PSAの数値が下がった(2008.05.13)
- がん保険(2008.03.11)
- 医師と患者の治療法の合意(2008.03.10)
- 検査だったらどこの病院でも同じ?(2007.08.01)
- 前立腺がん―夫の選択は放射線治療(2007.09.14)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/191951/16325107
この記事へのトラックバック一覧です: 検査だったらどこの病院でも同じ?:




コメント
突然のコメントを失礼致します。
ちょうど今,私の父が前立腺生検でおきた合併症『敗血症』になり救急車で運ばれ入院しております。
なんとか情報を得たいとインターネットで検索しているところ幸子様のブログに出会いコメントさせて頂きました。
書いてある内容が父と本当に同じ症状だった為とてもためになったと同時に,やっぱり医療事故だったんだと改めて思い直すことができました。
今週水曜に検査入院をし,木曜に退院,一日分の抗生剤のみを持って帰り帰宅しました。
翌金曜,突然40℃近くの発熱をし全身ガタガタ震え救急車で病院に運ばれました。検査を受けた病院が自宅から遠いこともあり了承を得て自宅付近の総合病院に受け入れてもらえました。
敗血症と即診断され緊急入院をすることになりましたが,病院側の対応に家族全員不安を感じています。
弱っている患者(父)に対し,対応医師は平然と『死ぬ場合もあります』とのコメントをしたにもかかわらず,処置の対応がとても遅く
解熱剤も抗生剤も半日たってからの投与となりました。
血圧も70以下になって危ない状況になっていたにも関わらず,一切家族への報告はなく父が何気なく話したことにより発覚しました。
現在私たち家族が付き添っていない間に何かあるのではないかと眠ることもできません。
本当は受け入れてくれただけでも感謝しなくてはいけないのですが,病院側の対応に疑問を感じています。
また,生検を受けた病院は前立腺においてはNo1と言われている程の病院でした。しかしながら付き添った母にその時の状況を聞くと主治医のあり得ない行動,最悪のリスクを考えない対応,確実に医療事故としか考えられないのです。何千もの生検をしているからといって流れ作業的に検査をするような医師であったことに間違いはないと思っております。
まずは,父に健康状態が良好になるよう現在入院している病院で助けてもらわなければならないのですが,不安で不安でたまりません。
事例が少ない為か前立腺生検後の敗血症による合併症の情報もなかなか見付けることができておりませんが,私なりに色々勉強していかなくてはならないと思っております。
長くなってしまい申し訳ございませんでした。
旦那様のご回復,心よりお祈り申し上げます。
ありがとうございました。
投稿 1000va | 2007年8月26日 (日) 03時17分
その後、お父様はいかがでいらっしゃいますか?
治療中のご不安、本当に痛いほど分かります。
当時の夫の主治医は、何千の前立腺生検で私の夫のような事例は初めてと言いましたが、コメントを読ませていただいて、病院は外に情報を出さないだけで結構あるのではないかと思いました。
実際、病院の不注意で菌が入ったのは明白であるのに、主治医は「患者さんが生検手術翌日に退院して自宅に帰ったときに、大便をしたときなどに、いきんで菌が入った可能性がある。」などど言いました。
まったくあきれます。
夫が入院した病院は入院費は「包括評価(DPC)」という方式で計算しており、疾病ごとに、一日あたりの薬、注射、レントゲン検査名度診療内容の費用が包括的に決められています。また手術料・内視鏡検査・リハビリ料などについては、この費用とは別に計算されます。患者の一部負担割合は従来と変わりません。
夫は退院の翌日から8日間入院し、「敗血症」という病気に対する包括医療ということで、約10万円(3割負担で)。そのほかベッド代などで、かなりの入院費がかかりました。
医療事故で本人が苦しみ、家族を不安のどん底に落とし込まれて、その上にさらに医療費を支払うなんてと本当に怒りがこみ上げてきました。
泣き寝入りをしている方がほとんどではないのでしょうか?
夫は生検の後、病院を替え、さらにアイソトープ、CT,MRIなどの検査を行い、骨や他の臓器への転移はないことがようやく昨日27日にわかりました。来週月曜日までに、どのような治療法を選ぶかを決める予定です。しかしどの治療法を選択してもリスクは大きいようですし、また悩みが始まりました。
今後も何か情報がありましたら、こちらから発信したいと思いますし、ぜひ情報交換をお願いできれば幸いです。
どうぞお父様、お大事になさってください。
投稿 服部幸子 | 2007年8月28日 (火) 10時54分