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2006年9月21日 (木)

2006年第3回定例会:一般質問と答弁

2006年9月21日第3回定例会
一般質問と答弁

  1. これからの環境政策について
  2. 総合的な自殺対策について
  3. 生きがい支援重視の介護予防について
  4. 認知症高齢者を地域で支えることについて
  5. 提案型公共サービスの民間事業化について
  6. その他

はっとり幸子です。先ず、これからの環境政策について質問いたします。

 2001年に策定された中野区環境基本計画の改定に向けて、現在、第2期の環境審議会が開催され、議論が進められています。

 現行の環境基本計画の問題点については、一つには計画の内容が環境保全にとどまり、区としての環境政策が明確に位置付けられていないこと、また区民・事業者・行政の取り組むべき事項や相互の連携・協働を進める仕組みが整備されていないこと、そして計画の達成状況の客観的な評価・点検を行う仕組みが整備されていないことなどが指摘されています。そうした問題を十分認識した上で、新たな環境基本計画を策定することが必要と考え、環境審議会の議論の行方に関心を持って傍聴をしています。
 
そこで、環境基本計画改定に向けた区の基本的な考え方についてお聞きします。

 今、地球温暖化、ヒートアイランド現象など、環境問題への対応策を区民の暮らしに結びつけて進めながら、都市が持つ構造的な問題の解決や地球規模的な視野での取り組みなど、新たな政策を形成していくことが区の重要な課題となっています。目の前の環境問題、公害問題を改善するための対応策が必要なことは言うまでもありませんが、これからの中野の環境政策は、「中野区基本構想」、「新しい中野をつくる10か年計画」が目指す、未来を見据えた持続可能な地域社会の実現を支えるものであり、環境基本計画は都市環境全体を見据え、「創造的環境都市」を目指す、基本的かつ戦略的な計画であるべきだと考えます。
 
 区民・事業者・行政が協働で取り組む仕組みを整備し、経済的、社会的、文化的、政治的なダイナミズムがあるまち、人にやさしい交通によって歩いて暮らせて、歩くだけでも楽しいまち、多様な文化や産業の用途が混ざり合うみどりのまち中野をつくることなど、中野のまちづくりそのものに深くかかわる環境政策を進めていくことが必要だと考えます。環境政策と他の分野の政策との統合を図ることも重要です。

 基本計画に盛り込む内容は、環境審議会の中で議論されることではありますが、区の環境基本計画改定に向けた基本的なお考えをお聞きします。
 
 創造的環境都市づくりに向けて重点的に取り組むべき分野として、環境負荷の少ない交通政策で、だれもが安全に、歩いて出かけられる環境づくりなどがあり、また、再生可能エネルギーの利用などのエネルギー政策は、東京都の「再生可能エネルギー戦略2020」と連携で進めることが考えられます。

 防災の分野も重要です。また、「まちを大切に考える心」と、まちのつながりを強めることは、創造的環境都市なかのをつくる上での基盤になりますし、地域コミュニティーを生かしたまちづくりの視点など、重要だと考えます。

 こうした施策の目標達成に向けては、具体的な数値目標を設定し、目標到達に向けた戦略的な取り組み姿勢を明確に打ち出すことが重要だと思います。できることを計画化するのではなく、これからの地域社会の形成に向けてやるべきこと、新たな価値を中野から生み出し発信する、創造的な方向性を持つ環境基本計画づくりが望まれますが、どのようなお考えのもとで進めようとしているのでしょうか、伺います。
 
 また、環境基本計画策定後の計画の実効性を確保するための仕組みの整備についてのお考えを伺い、この項の質問を終わります。
 
2番目に、総合的な自殺対策についてお聞きします。

 ことし6月に、超党派の議員提案によって、国や自治体に対して総合的な自殺対策の責務を規定した自殺対策基本法が成立しました。改めて区の今後の積極的な取り組みを求め、質問をします。
 
 昨年まで8年間連続して、全国で自殺者が3万人を超す異常事態が続いています。全国の年間の交通事故死は約7,000人で、その4倍もの人々がみずから命を絶つという、先進国の中でも際立った実態があることに驚きを覚えます。

 日本の自殺者の多くは、40代から50代の働き盛りの男性ですが、昨年は20代から30代の若者の自殺者数が前年と比べ5%以上ふえています。

 自殺の報道記事は、「介護疲れ」「多重債務」「パワーハラスメント」「いじめ」「無理心中」など、ほとんど毎日続いています。今月6日の毎日新聞朝刊1面のトップ記事は、消費者金融が債権回収のために借り手全員に生命保険を掛けていた問題で、昨年度1年間で支払われた延べ4万件のうち、借り手が自殺をして債権回収をしたものが、判明しているだけで3,649件、多重債務者が自殺に追い込まれている深刻な状況が、長妻昭衆議院議員の質問主意書による金融庁の調査で明らかになったと報じています。

 日本においての自殺は、社会的に追い詰められた上での死であり、社会全体の問題として総合的な対策を図ることが早急に求められています。
 
 全国の交通事故死は、1970年、今から36年前のピーク時には1万7,000人でした。その後の総合的な交通安全対策の結果、現在では約7,000人と減少しています。
 
 中野区の統計によれば、昨年度、中野区で自殺によって亡くなられた方は62人です。ちなみに、中野区の昨年度の交通事故死は6人で、昨年までの10年間で合計62人です。そこで、伺いますが、中野区の過去10年間の自殺者は何人だったでしょうか。

 また、自殺者の性別、年代など、区内の自殺者の実態についてお伺いします。
 
 自殺に至った原因については、個人情報として大変デリケートな問題でもありますし、従来は区としてそうした情報収集はしてこなかったと思います。しかし、新たな法的位置付けの中で、今後区が効果的な自殺対策を進めるには、単なる統計だけではなく、正確な実態把握が不可欠になります。警察は自殺の場合、遺書などから原因や動機などについても把握をしていますから、警察との協力の方法についても検討が必要だと思います。

 中野区における自殺の実態把握について、今後の予定も含め、区のお考えを伺います。
 
また、自殺未遂者は自殺者のおよそ10倍であるということが定説となっていることから考えると、区の昨年の自殺未遂者は約620人に上ると推定されます。当事者ばかりではなく、心理的な影響を受ける家族や周囲の人などを含めると、心に深い傷を負った人々は相当な人数になっているでしょう。

  「健康福祉都市」の実現を目指して、区民一人ひとりの生き生きとした生活を目標の一つに掲げ、また安心・安全のまちづくりを進めようとさまざまな施策を展開している中野区として、自殺をめぐる現状についてどのようにお考えでしょうか、お尋ねします。
 
 自殺対策基本法で示されているように、自殺対策には事前防止と危機への対応、事後の対応の三つの段階があります。これまで中野区においてはそれぞれの部署ごとに何らかの対応はしてきていると思いますが、現状は縦割りの壁があり、心の悩みや苦しみをどうしたらいいのかわからない区民にとっては、相談の窓口がないというのが実情です。自殺防止対策として、区民の心の健康を保つための相談体制の整備など、早急な取り組みが必要だと思います。区のお考えを伺います。
 
 9月3日発行の中野区報は、WHO(世界保健機構)が提唱している9月10日の世界自殺予防デーに向けて、「心の健康チェックを」という特集記事を掲載していました。うつ病などの心の健康問題や自殺の問題は、だれもが抱える身近な問題であるとして、自分でできるうつ病のチェック表、周りの人が気づくサイン、講演会や相談会の案内など、区民に向けた普及啓発の取り組みを評価します。

 現在、区が開催するうつ病などにかかわる講座には大変多くの参加がありますが、今後働く人へのうつ病対策として、区内事業所の事業主に対し、従業員の心の健康の取り組みに関する調査の実施、自殺防止のパンフレットの配布などの取り組みも必要だと思います。どのようにお考えでしょうか、伺います。
 
 また、うつ病対策には、専門性の高い相談体制の確立やその分析、医療機関との連携も重要です。区は今後のうつ病対策についてどのようにお考えか、具体的な取り組みについてお考えをお聞きします。
 
 自殺予防のためには、事前防止だけでなく、危機への対応も不可欠です。その役割を果たしている民間団体の「いのちの電話」は、広く全国的な活動として知られていますが、常に電話回線はいっぱいで、ほとんどつながらない状態にあります。

 区の行政革新5か年プランでは、今年度の取り組みとして、虐待・家庭内暴力・徘徊する高齢者など、区民の安全や安心にかかわる緊急な課題に対応する緊急対応窓口の設置など、24時間対応の仕組みの整備を検討するとしていますが、どのような内容か、伺います。
 
 また、事後の対応として、自殺未遂者や自殺者の遺族へのケアも大変重要です。自殺未遂をした人の自殺を防止するためには、救急医療の現場と精神科医の連携が求められます。個別の医療機関などの自主的な取り組みではなく、体系的な取り組みが必要だと思います。区は自殺未遂者や遺族への対応について、今後の取り組みをどのようにお考えか、お聞きします。

 今後、自殺対策を進めていく上で、区の担う役割は大きくなります。自殺という避けられる死から区民の命を守るためには、中野区の地域の特性に応じた対策を立て、着実な取り組みが求められるからです。早い時期に自殺対策の協議会の立ち上げを検討し、地域の関係者の連携でつながりを広げ、より効果的な自殺対策を進めるべきです。区はどのようにお考えでしょうか、お伺いします。

 国は現在、年間約3万人の自殺者を、10年で2万5,000人に減らす目標を立てています。中野区においても具体的な数値目標を持って、単発のイベント的事業の展開ではなく、総合的な自殺対策を進めていくことが必要です。区のお考えを伺い、この項の質問を終わります。
 
次に生きがい支援重視の介護予防について伺います。

 中野区高齢化率は18.4%となり、高齢者を地域で支える取り組みがさらに大きく期待されています。介護保険制度は、さまざまな議論を経て、介護予防を重視した内容に改正され、中野区においても新たな制度の改正による混乱を抱えながらも取り組みを進め、今月からは地域支援事業もスタートさせたところです。

 8月の末に、私は山口市と防府市にある「夢のみずうみ村デイサービスセンター」を訪ねました。2001年に事業が始まり、「また行ってみたくなる通所サービス」として利用者の人気を得て、全国からの見学者が殺到しています。NHKの「視点・論点」をはじめ、今月18日の敬老の日の朝日新聞の社説でも紹介されるなど、あちこちで注目されています。

 当日の朝9時半、行ってみてまず驚いたのは、入り口ホールのにぎわいでした。何か催しごとがあるのか聞きましたら、これは毎日の光景だそうです。デイサービスの常識を覆しています。このにぎわいは、利用者の方々が思いのままに今日一日の自分の予定を立てるべく、300のプログラムメニューから選んでいるのです。職員が用意した歌をみんなで歌ったり、一緒に体操したりという多くの施設で行われている光景はありません。活動内容は一人ひとりが違い、利用者が自分で1日のプログラムを選び、決めています。体が不自由になっても、生活する力を得て、生きることを楽しんでもらうのがこのデイサービスセンターの方針だそうです。とても混沌としていますが、人間くささにあふれ、本当に温かい雰囲気です。

 昼食は、上げ膳据え膳ではなく、バイキング方式で、片まひや車いすの利用者も、自分で好きなだけよそって食べます。食べ残しもほとんどありません。広い施設の中は、自動ドアはなし、坂のある長い廊下にも手すりはなく、利用者の私物を収納するたんすが置いてあるので、伝って歩きます。段差あり、階段ありの「バリアフリー」ならぬ「バリアアリー」の施設だと、そして家庭にあるバリアと同じリスクを克服することが大切と、デイサービスセンターを運営するNPO「夢のみずうみ社」の藤原理事長は話していました。できる能力は徹底して生かす、ということが基本になっています。この施設の内容を運営に生かそうということで、23区のある区が既に始めようとしています。

 利用者は、1カ月ごとに自分の動作や体調を調べ、成果を確かめます。ほとんどの利用者の介護度が改善され、現在は介護度1と2がほとんどだそうです。

 元気で長生きしたいとはだれもが願うことですが、老いていくことで体の機能は衰えます。連れ合いに先立たれるなど、生きる希望を失い、閉じこもりがちな人の心に目を向ける介護予防の取り組みが重要だと思いました。介護予防の重要性を本人が自覚しない限り、どれだけプログラムメニューをこなしても成果は上がらないということです。自立に向け、本人が意欲的に取り組める仕掛けづくりなど、もう一度生きてみようと思わせる支援とはどういうものかを考えさせられました。
 
 中野区における介護予防事業は、民間事業者へ委託し、実施されています。区の介護保険事業計画には、良好な事業者により事業が適切に実施され、介護予防の効果がより高められるよう配慮すると書かれています。

 介護予防事業の達成状況の点検と評価については、大きく三つのレベルを想定して、個人、事業ごと、事業者ごと、そして高齢者の健康度、介護度、区全体の経費などに対する評価を検討されているようですが、介護プランの効果、達成状況はどのような基準で行うのでしょうか。国の手引きがありますが、ぜひ区として独自の評価基準で行うことを求めたいと思います。お考えをお伺いします。
 
 また、事業への参加によって、参加者の機能がどの程度維持され、回復されたかの個人レベルの評価においては、3カ月ごとの客観的評価だけでなく、評価の基準の一つとして利用者本人がどのように感じているか、生きがいを持てるようになったかなど、主観的な本人評価も採用すべきではないでしょうか。お考えをお聞きします。

 時間がまいりましたので、以上で質問を終わります。よろしくお願いいたします。

  ありがとうございました。

(制限時間になったため、4.5の項目については質問できませんでした。)

○区長(田中大輔) はっとり議員の御質問にお答えをいたします。
 まちづくりの基本戦略を持った環境施策ということですけれども、新しい環境基本計画については、基本構想と10か年計画が目指す持続可能な活力あるまちづくりを環境面から実現するための計画でありまして、環境都市なかのの実現に向けて、環境施策と他の施策が有機的に連動しながら、戦略的に取り組んでいくものとしていきたいと考えているところであります。
 
 計画の目標設定に当たりましては、達成できる目標ではなく、達成すべき目標を立て、全体戦略はもとより各施策についても、達成に向けての道筋を明確にしていくことが大切であると考えているところであります。また、10か年計画を踏まえ、自然エネルギーの活用による新たなエネルギー政策の構築など、中野区が主体性を持って取り組む施策を盛り込んでいきたいと考えております。

 環境基本計画の目標を実現するための仕組みとしては、基本計画のもとに実行計画を立て、具体的な施策を体系的に掲げて、施策ごとに数値目標を設定し、進捗状況や成果を点検・評価をしながら、進行管理を行っていくということを想定しているわけであります。また、点検・評価に当たりましては第三者の意見を反映させ、結果を区民に公表する仕組みをつくることを考えているところであります。
 
 総合的な自殺予防対策という御質問がございました。中野区の人口動態統計では、過去10年間の累積で644人が自殺によって亡くなっているわけであります。性別は、統計が男女別になった平成12年以降の過去6年間の累積で見ていきますと、男性が女性の約2.8倍と、男性に多いということが見えてまいります。また、年代別に見ていきますと、50歳代が圧倒的に多いということが言えるわけであります。中野区の実態として、壮年期男性の自殺率が高いということを踏まえて、この壮年期の方を対象とした心の健康づくり対策を進める、このことが重要と考えているところであります。

 自殺者の個々のケースについての実態把握ということであります。自殺に関しまして、個々のケースの実態把握をするということになりますと、個人情報でありますとか、さまざまな周辺情報の収集が必要となるわけであります。区として実施をするのは難しいと考えております。自殺の原因について、国レベルでの調査が行われているわけでありまして、そうしたデータを参考に、区としてできる有効な対策を進めてまいりたいと考えております。

 自殺予防対策としてのうつ病対策が重要だという指摘であります。区としてもそうした取り組みを進めているところであります。うつ病対策については、保健福祉センターの日常的な相談のほか、月に1回程度、精神科医による心のクリニック、また年に2回、うつ特設相談日を設けているところであります。このほか、うつ講演会、うつに関する講演会による普及啓発を行って、区民の心の健康づくりを支援しているところであります。今後も、東京都の中部精神保健福祉センターでありますとか医療機関と連携を深めながら、取り組んでまいりたいと考えております。

 24時間対応の仕組みの中で、どう取り組んでいくかという御質問もありました。24時間対応の仕組みの整備につきましては、現在検討を始めたところという段階であります。こうした電話あるいは対応に対して、自殺に関する電話がかかってきたといったような場合にも適切に応答できるものとしていくわけでありますが、専門的な対応を必要とする場合も多いと考えられるわけでありまして、そうした場合には適切な機関を紹介するといった仕組みになっていくと考えております。

 それから、総合的な自殺予防対策の推進についてということであります。昨年12月に国の自殺対策関係省庁連絡会議から、自殺予防に向けての政府の総合的な対策について示されたところであります。この中で、各都道府県において自殺対策連絡協議会を設置することとなっております。区といたしましては、このような都の対応を受けて、区内の関係部署や関係機関と適切に連携をしていきたいと考えております。

 数値目標ということの御質問もありました。区では、保健福祉総合推進計画の中で、人口10万に対する自殺率を16以下とすることを目標値として掲げているところであります。総合的な心の健康づくり対策を進めていくことで、この目標を実現していきたいと考えております。
 
 それから、生きがい支援重視の介護予防についてということであります。介護予防ケアプランというのが動き出しているわけであります。

 このケアプランについては、国の地域包括支援センター業務マニュアルでありますとか、東京都が示しております新予防給付ケアマネジメント業務の手引きに基づいて、地域包括支援センターで作成しているところであります。

 介護予防ケアプランについては、3カ月ごとに厚生労働省の省令に基づく基準に沿って評価をして、次回のプランに反映させる仕組みとなっているところであります。

 介護予防ケアプランの評価、見直しに当たりましては、本人や家族の意見、意向を把握して行うということになっているところであります。

 以上であります。

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