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2006年3月13日 (月)

2006年第1回定例会:一般会計予算賛成討論

2006年第1回定例会3月13日
2006年度一般会計予算賛成討論

 第4号議案、2006年度中野区一般会計予算に対し、市民自治の立場から賛成討論をいたします。

 2006年度は、基本構想を実現する基本計画として策定された「新しい中野をつくる10か年計画」を着実に進めていく大事な年度です。学校を初め、区有施設の改修や建てかえへの備え、国の制度の変化に伴う財源不足やいわゆる2007年問題とされる団塊の世代の職員の退職金への備えなど、基本的には起債に頼らず、予想される支出は基金によって備えていくことがこれからの世代の負担を軽くするためにも重要だと考えます。

 2006年度は、当初予算において財源対策をしない13年ぶりの健全予算であり、人件費比率は29.8%と12年ぶりに30%を切りました。当初予算で財政調整基金を取り崩さなかったのは17年ぶり、また三位一体改革などに対応して起債をしていないのは38年ぶりとなりました。来年度末の基金残高は224億円が見込まれ、2001年度末の残高68億円から大きく伸びています。区債と土地開発公社の借り入れを合わせた債務残高は、2001年度末の657億円から、2006年度予算では551億円と106億円の減少となりました。次世代に責任ある区政を手渡していくために、財政基盤の確立に向けた区の財政運営の考え方を評価します。

 来年度、区は文化スポーツ施設の管理運営に指定管理者制度を導入し、区立保育園の指定管理者による運営を2園から4園に広げます。また、若宮高齢者会館及び東中野いこいの家の事業運営を地域の団体に委託し、区民主体の運営に移行するなど、区の施設を民間の事業者や地域の区民の力を生かす運営方法への展開をさらに進めます。

 これまで公共サービスをさまざまな形で民間の力にゆだねてきたことの成果は、財政面だけでなく、区直営の時代よりもサービスの質の向上にもつながっている事業も多いため、区民の評判もよく、今後も積極的に進めていくことが求められています。そして、改革の新たな段階へ進むためにも、適正で公正に切磋琢磨できる仕組みや、利用者としての区民を守る仕組みづくりなど、区の役割をしっかりと果たしていくことを期待しています。

 次に、安全・安心の取り組みについてです。

 今年度、区立小学校では防犯活動の一環として、子どもたちによる地域安全マップづくりが実施され、既に8校で作成済み、また今後、作成を予定している小学校は16校だと聞いています。多くの地域で育成団体などによる地域安全マップづくりが行われ、子どもたちも参加して作成された地域もあります。作成することが未定となっている小学校5校では、職員が作成したものや地域でつくられた安全マップを活用しているところもあるようです。子どもたちがみずから身を守ることができるよう、安全・安心の地域づくりを進める取り組みが地域ぐるみで広がっています。

 来年度はこうした取り組みに加え、ハード面の安全対策として、小・中学校の防犯カメラの設置、正門などの施錠システムや校内緊急システムなど、子どもにかかわる施設への導入が行われます。今日の社会状況を踏まえ、子どもたちをねらって頻発している犯罪を未然に防止するために保護者からの要望もある事業です。が、一方で防犯機器類の導入によって、これまで各学校で実施されてきた地域に開かれた学校を目指すさまざまな取り組みが後退するのではないかと危惧する声も聞かれます。子どもたちの安全と地域とともにある学校という観点からの取り組みを考えていくことが必要だと思います。

 来年度、地球環境保全に向けた地球環境への負荷の低減と二酸化炭素の排出量を削減する事業、いわゆるグリーン電力証書制度への参加や、区内の事業所に対する環境に配慮した事業運営を進めるための支援など、区が事業者として地球環境問題への取り組みを区民に見える形でスタートさせました。また、環境アドバイザーなど人材育成も行われます。さらに、来年度、現行の中野区環境基本計画の改定に着手します。再び絵にかいたもちとならないよう、実効性ある計画の策定を強く要望するところです。

 子育て支援については、保育園の病後児保育、一時保育の拡充、年末・休日保育サービスの拡充、延長保育園の拡大、公立・私立の格差是正を目指した私立幼稚園保護者補助、入園料補助の拡大などが予算化されました。

 高齢者福祉については、区内においても高齢者虐待の発見がふえ、実態の把握と介護者へのケアの視点からの取り組みが求められている中、ことし4月から施行される高齢者虐待防止法に伴い、区は相談窓口の設置や、関係機関の連携など体制の整備を行い、緊急一時宿泊事業も拡大します。公衆浴場で実施している「はつらつ体操」が軽体操からヨガや気功も加えられて、回数も214回から960回へと拡充されます。高齢者が安全に参加できるよう、施設のバリアフリー化への助成なども引き続き行われます。また、土地や建物所有者、民間事業者への整備補助によって認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護拠点が新たに整備誘導されるなど、支援が必要な人を地域で連携をとりながら、安心できる高齢者福祉の充実が必要となっています。

 10か年計画の戦略の一つに、健康・生きがい戦略があります。幾つになっても健康でいられることはだれでもが願うことです。活力ある高齢社会は、高齢者がみずからの可能性を広げ、元気でいきいきと活躍する社会にほかならないという考え方に異議を唱えるものではありません。しかし、人間だれしも年を重ねれば体の機能も衰えてきますし、意欲がなくなってくることもあるでしょう。健康でなくても、活動できなくても、あるがままの高齢者を懐深く受け入れる地域社会であることも必要です。区民の安心をいつでもサポートできるように、お互いに支え、支えられる地域をみんなでつくっていきたいものだと思います。

 来年度からは障害者自立支援法が施行され、障害者福祉サービスのあり方が大きく変わります。その中においても、障害がどれだけ重い人でも地域で安心して暮らせるように福祉サービスの水準を下げることなく、さらにサービスの向上を図るよう、23区のほとんどの区が自治体として独自のサービスに取り組みます。だれもが安心して地域生活が送れるよう、目に見える施策を打ち出すことが必要です。特に、サービス内容や財源において、自治体の取り組みが重要になってくる地域生活支援事業に、中野区としての積極的な取り組みを求めます。その取り組みを進めるためにも、来年度行う障害福祉計画の策定は重要です。障害当事者の意見を踏まえての策定を要望します。

 来年度、長年の区民要望であった3カ所目の知的障害者通所援護施設が民設民営で実現します。また、非常勤の就労支援員を1名増員するなど、障害者の就労支援が強化されます。通所施設の地域展開や就労支援策は障害者の自立生活支援のために重要な施策であり、今後とも積極的な展開を望みます。

 都市整備費では、野方駅北口を開設するための用地取得や地質調査、基本設計などが予算化されました。地域の人々の長きにわたる要望の実現が近くまできました。

 区立学校の再編については、前期対象校の再編にかかわる学校統合委員会の設置・運営、施設整備工事や新しい校舎のあり方の検討などが取り組まれます。前期再編計画にある中学校では、既に来年度の入学者の減少が伝えられてきます。統合までの間の生徒や保護者の不安を解消する手だてを十分に図っていくことを求めます。

 区民の自治活動にかかわる予算では、区民団体の公益活動を地域全体で推進できるよう、区民などからの寄附及び区費を積み立てる基金とともに、区民公益活動推進協議会などの設置が予算化されています。また、NPO活動センターの開設が予定されています。これからのNPO活動センターは、NPO支援だけを行っていてはNPOのニーズにこたえることはできません。NPOと企業をつなぐ力や商店街、商工団体、町会・自治会などの地域団体とをつなぐ役割が求められています。時代の要請にしっかりこたえられる力を持つNPO活動センターにしていくことを要望します。

 今、中野区が抱える最も大きな課題は、他の多くの自治体と同じように、地域における人と人とのつながりをいかに再生するかということです。区が目指す「支え合いの地域社会」の構築をこれからどのようにしていくのかが問われています。地域団体、NPOを含め、区民の力を生かす取り組みが求められます。民間事業者、企業などのさまざまなセクターとともに、安心の中野をつくる地域の新しい公共を生み出せるよう、区がそのコーディネーターとしての役割をしっかりと果たしていく区政運営を要望し、賛成討論といたします。

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