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2006年1月 1日 (日)

2004年第1回定例会:一般質問と答弁

2004年2月24日第1回定例会
一般質問と答弁

  1. 区長の政治姿勢と区政運営について
  2. (1)自治基本条例制定について
    (2)新しい公共サービスの担い手について
  3. 介護保険制度見直しに向けた区の取り組みについて
  4. 廃棄物会計の公表について
  5. 食品安全委員会の今後について
  6. 難解用語を見直すことについて
  ○18番(はっとり幸子) 一般質問をいたします。  区長の政治姿勢と区政運営についての中で、自治基本条例制定について、1点目に伺います。   各地で自治を重視する動きが活発化する中、2000年に制定された北海道ニセコ町の「まちづくり基本条例」を初め、都道府県レベルでは北海道とそのほか十六、七の基礎自治体で自治基本条例が制定されています。今後予定している自治体も幾つかあるようですが、東京では既に制定した杉並区、策定中の豊島区、三鷹市と、議会で審議中の多摩市などがあります。  条例策定の仕組み、過程、内容などはさまざまです。これまで制定された条例のほとんどが一般と発想が変わらない「まちづくり基本条例」になっていると指摘する研究者もいますが、自治基本条例について定義はないようです。

公共を行政だけに任せてきた限界が明らかになってきて、だれが何をどこまで担当するのか、自己決定、自己責任の考え方をもとに、その仕組みを具体化しようという意識が、それぞれの自治体を経営していくルールをつくる動きとなっています。
 
住民投票制度も現在200を超える自治体でつくられていると聞きます。法に基づいて全国の自治体が画一的な条例をつくってきた時代から、一つのまちにはそれぞれの歩んできた歴史があり、行動力の違いや自治体による温度差などから、実力と実績に応じ、自治体としての夢も盛り込んだ条例がつくられるようになってきたようです。
議員が自治基本条例研究会をつくり、議員提案によって全会派一致で成立した自治体もあります。
2、3年のうちには200を超える自治体で自治基本条例が制定されるだろうと見られています。
 
中野区においては、2年前、区長選の区民との政策議論の中で、自治基本条例が提案され、区長の公約の一つになりました。今定例会の施政方針説明で、区長御自身が描かれている中野のまちの将来像とそれを実現するための自治基本条例の制定が表明されました。
 
区長はなぜ今、中野に自治基本条例が必要とお考えなのか、その意義について改めて伺います。また制定した多くの自治体で自治基本条例をその自治体の憲法と位置付けていますが、区長はどのようにお考えでしょうか。
 
施政方針説明でお示しのように、条例の検討は審議会を設置して行い、約1年間で制定するとのことです。そして、自治と参加の理念と手続を定める条例として、自治を進化させる大きな契機とするということですが、条例の制定過程を透明にし、より広範な区民とオープンな議論を進めることが必要だと思います。
基本構想区民ワークショップの活動の第4分野では、新しい自治のあり方が熱く議論され、このほど出されたまとめでは自分たちで考え、決めるだけでなく、行動し、責任を持つことを目指す区民へと意識の変革をあらわす宣言が行われています。
こうした活動を生かし、今後の参加の仕組みをどうつくるのかが問われています。審議会による検討のほかに、制定までの過程でどのような参加の仕組みをお考えなのでしょうか、お尋ねします。
 
先日、伺った神奈川県大和市は「市民自治基本条例をつくる会」を設けて策定中です。このつくる会の代表は、企業の現役の課長さんで公募に応じたそうですが、こうした経験は初めてだそうです。
この会の運営の特徴の一つにパブリックインボルブメント、いわゆるPIという参加の手法の一つだそうで、インボルブメントという言葉には「巻き込む」という意味があるのだそうですが、この考え方を重視、策定のさまざまな場面で使っているそうです。つくる会の方から市民の中に出ていって説明をしたり、議会の各会派と意見交換をするなど、1年間に140回の検討を行い、精力的な活動を続けています。
また担当課は、今こういう条例を策定中でここまできましたと市民に知らせるための、こうしたチラシをつくって、まちの中や市の庁舎あるいは公共施設などに張り出しています。また市の封筒にも条例のロゴマークを入れまして、私たちがいただいた資料も、これに入って出されてきました。そして、担当の企画課の前には「つくる会」の大きな立て看板がありました。
 
三鷹市では、基本構想「みたかプラン21」の策定メンバーだった市民が「市民自治基本条例をつくる会」を立ち上げ、市と連携をしながら、あえて市の職員などの知恵や財政などの支援を受けず、自立した活動を進めています。
先日21日は第2次市民案の発表会として条例案についての意交換会がありました。現在策定中の藤沢市など、幾つかの自治体職員も参加し、議論をしていました。
批判したり、要望するだけの言いっ放しの市民ではなく、責任を持ってまちをつくるという自立した市民の一つの姿を見た気がしました。
 
幾つかの自治体の策定状況を聞いてみますと、従来の条例制定にはない策定プロセスがあるようです。ぜひ中野区としてもさまざまな工夫を凝らしていただきたいと思います。
 
2点目に、新しい公共サービスの担い手について伺います。
 
新しい中野をつくる10か年計画、次世代育成支援地域行動計画などの策定を前に、今後の中野区の新しい公共サービスの担い手をどう確保するのか、私たちにとって大きな課題が突きつけられています。
 
これまで長い間、行政だけにゆだねてきた「公共」の領域に、市民の多様な価値観に基づいて、必要とされるサービスを市民、団体、企業などがサービス提供主体として参加する時代がきました。さまざまな選択肢があることが中野の中でも当たり前に思える状況をつくっていかなければなりません。

そうした中で、昨日は指定管理者制度の保育園導入の議決をしたところです。今、各地の自治体でさまざまな課題解決のためのNPOとの協働が期待され、中野区においてもNPOが事業の受託をする事例もふえてきています。
しかし、協働を進めている自治体によっても異なりますが、多くは協働以前の根本的な事柄が議論されないまま、理念のない協働を進め、問題が生じている事例もあるように聞きます。委託は下請けではなく、公共を変えていくための一つの手段です。NPOに対する社会的認知が確立していない状況で、協働イコール委託ということがひとり歩きをし、委託がNPOと行政の協働なのかという意見も出てきているようです。
お互いが最大限の自主性と協調性を発揮し、NPOの自立性を高めるための事業を進めるために、中野区の協働におけるビジョンを明らかにし、委託事業を含めた協働の過程をガラス張りにし、契約やルール化など仕組みをつくることが必要だと思います。
 新たな公共サービスの担い手の確保について、また協働を進めていく上で取り組むべき課題についての認識を伺います。
 
2つ目に、順番を変えまして、廃棄物会計の公表について伺います。
 この10年ほど、税金負担でごみ処理を行っていいのかが世界的に問題となっているようです。リサイクルの推進によって、ごみ量が減少したとはいえ、「容器包装リサイクル法」ができて、資源化にかかる自治体の費用負担は大きくなりました。中野区はごみの量については区報などで発表していますが、ごみ処理、リサイクルに多額の経費がかかっていても、区の負担分について算出する方法が確立されていないため、明確に出すことはできないとのことです。これはほとんどの自治体が同様です。
昨年7月、小金井市は初めての試みとして、ごみ処理にかかる一切の経費をまとめて計算した廃棄物会計を市の広報紙に大きく掲載をいたしました。
2002年度の小金井市内のごみ総量約3万5,000トンの処理に総額約20億円、収集から埋め立て処理経費と集団回収費を含むリサイクル経費など一切の経費です。市民1人当たり1万8,000円、1世帯平均3万8,400円で、市税収入の約11%に当たるということです。具体的な数字を示すことで市民に強くアピールしたようですが、反響が最も大きかったのは、ここに書かれております、びん・ペットボトルなどの処理費、2リットル入りのペットボトル1本に22.3円かかっていることへの驚きだったそうです。資源化するのにかかった経費は5億2,200万円、処理費全体の4分の1強になっています。  しかし、リサイクルすればいいということではありません。発生抑制が一番優先されなければなりません。小金井市は廃棄物会計を生かし、ごみ行政の改革をしていくために、今後は毎年出していく考えだということです。
 
2000年度、2001年度について、市民団体が研究し提案した算出方法で、中野区も含め、関東近県の230の自治体が参加して、人件費や施設費などの項目も加えた廃棄物会計を算出し、まとめる作業が行われました。
23区の場合は、中間処理以降は共同処理となるため、経費を出すのは困難で、按分する箇所が多く、市民団体の算出方法を用いても区の担当者の判断によって数値が異なってくると思われますので、ここで数値を出すのは控えますが、23区全体で共通した算出方法を開発する努力をすべきだと思います。
区内の清掃工場建設が中止となり、これまで以上に私たちが責任をもってごみ減量を進めていかなければなりません。明確な廃棄物会計を早急に作成し、税の使い方としてのごみ処理経費の問題も含め、ごみ減量に向けて区民へアピールすることが必要です。区行政として関係方面への積極的な働きかけをすべきだと思います。廃棄物会計を公表することについての課題と今後についてのお考えを伺います。
 
次に、介護保険制度見直しに向けた区の取り組みについて。
 5年に1度の制度の見直しに向け、現在、国の本格的な検討が進められている中、東京都は検討会を設け、市区町村との間で制度の課題と改善策について意見交換を行ってきたと聞いています。
 昨年10月にまとめられた国へ提案すべき事項についての提案書の試案には、多くの人々や団体から100項目を超える意見が寄せられ、今月末には国への提案書として提出する予定だということです。

中野区は東京都との取り組みを通じ、要介護・要支援認定について、さらに保険給付にかかわる高額介護サービスの払い戻しの手続、また費用負担などについて改善に向けた提案をしたとのことですが、制度の運営面での課題は多くあります。保険者の裁量権を拡大し、それぞれの地域の特性を踏まえ、柔軟な対応ができるような制度にしていくために、保険者として国に対する積極的な姿勢を期待します。
 
これは港区が出した介護保険白書です。港区は第2期の介護保険事業計画策定の際、サービスの量の確保、サービスの質の向上、相談・苦情解決システムの充実など、区民に五つの約束をしていて、その約束を果たすために区独自にこうした白書をまとめて、保険者として直面した制度上の課題、また区民やサービス提供事業者など介護現場からの意見を区民にもわかりやすく整理して、41の要望項目にまとめ、それぞれの現状と課題、具体的内容、根拠となる法令などを掲載しています。
 
介護保険制度を利用者にとって使いやすい、また持続可能な安定した制度にしていくための取り組みについて2点伺います。
 
在宅介護支援センターで区民から相談の対応や情報提供等が適切に行われているのでしょうか。相談件数は多いようですが、単なるケアプラン作成所になっているのではないかとの指摘もあります。どのような問題があるのか、保険者としてしっかりと検証をすべきだと思います。いかがお考えでしょうか。
 
また後期高齢者がふえ、介護保険の利用、給付費の増加も進んでいる中、介護保険料の負担を重くしないために、介護予防として地域の支え合いを徹底していくことが必要となります。高齢者に対する情報提供など、さまざまに行われてはいますが、受けとめ方や理解力など個々に異なりますし、地域の在宅支援センター・保健師・民生委員がチームを組み、きめ細かな働きかけをしていくことなど有効だと思います。お考えをお伺いします。
 
1月30日には第2期の介護保険運営協議会が発足し、第3期の介護保険事業計画策定に向けた活動が始まりました。保険者としての責任をどのように果たしていくのか、今後の取り組みについてのお考えをこの項の最後にお聞きします。
 
次に、食品安全委員会の今後について。
 食品をめぐる状況は次々に新たな課題があらわれ、食品に対する安全性への危機感がますます大きくなっています。こうした中で、国や都においてもおくればせながら、ようやく新たな動きが出てきたところです。中野区食品安全委員会の1期から3期の活動の中で、消費者・事業者・行政がそれぞれの役割に取り組むとともに、お互いに連携して食を通じた地域健康づくりを進める意義が確認されました。
2001年8月に第3期が終了し、報告書がまとめられた後、2年半が経過しています。これまでの中野区の食の安全にかかわる自治の観点からの取り組みを踏まえ、より積極的に新たな将来構想を持った総合的な食品安全施策が期待されます。区はこれまでの食品安全委員会の活動についてどのように総括し、課題をどのようにとらえているのでしょうか。食品安全委員会の今後についてのお考えをあわせて伺います。
 
難解用語の見直しについて。
 近年、私たちが日常目にしている新聞や書籍類などに使われている言葉の中に片仮名語がふえています。区報を初め、区のさまざまな報告書、パンフレットなどの文書もわかりにくい用語、表現などがわかりにくいと区民の方から言われることがあります。区にも時々、苦情が寄せられるとのことです。情報を受け取る区民の立場に立って、わかりやすさという観点から見直しを図る取り組みを進めていくことが必要だと思います。区の出しているさまざまな文書などから片仮名語やわかりにくい用語、表現などの点検を行い、顧客満足度の観点から改善をすることについて、ぜひ積極的な御答弁をお願いいたします。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
                
○区長(田中大輔) はっとり議員の御質問にお答えをします。
 自治基本条例の必要性ということであります。今、社会全体の大きな変革の時代ということで、自治体もみずから改革をしていかなければ持続できない、そんなことを常々申し上げているところです。そうした大きな改革の流れであればあるほど、住民がみずからの自己決定、自己責任、自己統治の自治体運営ということが求められているというふうに思うものであります。
 
自治体運営について、その地域住民による自己決定、自己統治の理念、手続を定めていく必要があるというふうに考えたわけであります。
 
パブリックコメント制度でありますとか、区民への説明責任、住民投票等、住民と行政の関係のあり方全般に理念や対応を明らかにしていきたいというふうに考えております。
 また自治基本条例は自治体の憲法かという御質問であります。自治体の憲法というのは、やはり私は日本国憲法だろうと思います。憲法というのは最高法規性を持った大事な法律、言葉でありますので、自治体それぞれに憲法があるといったような考え方は、趣旨としてはよくわかるんですけれども、私自身はちょっと違うのではないかというふうに思っているところであります。
 
自治基本条例の制定過程への区民参加ということでありますけれども、自治基本条例は現在基本構想で行われています、さまざまな区民論議を土台として検討を行うものであります。審議会を設けた後におきましても、審議会の審議と並行しながら、区民対話集会、区報、ホームページ、またさまざま幅広い区民の意見の聴取を行いながら、検討していきたいというふうに思っております。
 
それから公共サービスの担い手づくりという質問です。豊かで活力ある地域社会を築いていくためには、行政の直接サービス提供部門の活動はできるだけ小さくし、市民の自主的な活動やNPO、企業など、多様な公共サービスの担い手が活発に活動して、多様な価値あるサービスを提供する状況をつくっていくという必要があるというふうに考えています。
 
NPOなどの自主的な活動団体が公共サービスの担い手として活動を広げられるよう、情報の公開、透明性を確保しながら、活動の自立性、継続性が確保できるような環境の整備を行っていきたいというふうに思っています。
 
それから廃棄物会計の公表であります。廃棄物会計という概念で御質問があったわけですけれども、確かにごみ処理にかかわるコストというのは、再生利用の部分のコスト、あるいはさまざま副次的に発生しますコスト等の問題も含めまして、非常に難しいものだというふうに思っています。そのコストを明らかにしていくことが、ごみ・ゼロに向けての総合的な戦略づくりといったようなことにもつながっていくというふうに思っているわけでありまして、区のごみ処理やリサイクル事業のあり方について、これから区民とともに考えていくためにも、清掃リサイクルにかかる経費について、わかりやすく公表できるような検討をしていきたいというふうに思っております。
 私からは以上でありまして、その他はそれぞれ所管の部長の方からお答えをいたします。
               
○保健福祉部長(菅野泰一) 介護保険制度見直しに向けまして、区の取り組みのうち、在宅介護支援センターの検証が必要ではないかとの御質問でございますが、現在9カ所の在宅介護支援センターとの会議を毎月開催いたしまして、相談の内容や苦情等で把握された問題点などにつきまして報告を受け、協議しているほか、区からの指導も行っているところでございます。今後はさらに利用者の満足度でありますとか、事業効果などにつきましても検証してまいりたいと思います。
 
それから介護予防ということでございます。区といたしましては、今年度中に健康福祉都市宣言を行いまして、介護予防の取り組みにつきまして強化していく考えであります。
 具体的には高齢者会館を高齢者の健康づくり、健康維持機能重視の施設運営に転換いたしまして、介護予防のメニューをふやすとともに、在宅介護支援センターや保健師、それから民生委員などとの連携強化にも努めてまいりたいと思っております。
 
それから第3期介護保険事業計画策定に当たっての視点でございます。平成16年度はこれまでの介護保険の運営状況等の分析による新たな課題の抽出や要介護高齢者や介護サービス事業者の実態把握を予定しております。あわせまして、国の制度見直し検討の動向等を踏まえまして、区民にとってより利用しやすい制度となるよう検討を行ってまいりたいと思います。
                
○保健所長(清水裕幸) 食品安全委員会についてのお尋ねにお答え申し上げます。
 中野区は、全国に先駆けまして食品安全委員会を設置し、運営してきたところでございます。本委員会では、消費者、事業者、そして行政の課題と責務を明らかにするなど、先進的な役割を果たしてきたものと評価しているところでございます。
 
一方、BSEの国内発生やそれに伴う表示偽装事件などを契機としまして、国は昨年、食品安全基本法を制定し、食品安全委員会を設置したところでございます。東京都も食品安全情報評価委員会を設置し、本年、食品安全条例の制定を予定しているところでございます。
 
こうした国や都の動向を踏まえ、区は基礎的自治体に期待される役割を明らかにしまして、区として総合的な食品安全の基本的施策を確立していきたいと考えているところでございます。この中で、食品安全委員会のあり方についても検討してまいりたいと考えてございます。
               
○総務部長(石神正義) 私からは難解用語の見直しについてお答えいたします。
 
難解用語の見直しマニュアルということについては必要と考えますが、区民の方が理解できない片仮名語であるとか、難解用語、こういったものを使わずに区民の方にわかりやすい言葉による説明、また接客態度、こういったことを持てる、区民の立場に立って仕事をする職員を育成していくということが必要だというふうに考えてございます。そういうことを通して、親しみやすい区役所づくりができるようにしたいというふうに考えてございます。
 
単なるマニュアルづくりではなくて、職員の意識改革につながる取り組み、こういったことから難解用語の解決にしていきたいというふうに考えてございます。

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